花柄や水玉模様をあしらったバッグやポーチなどのファッション雑貨のほか、エプロンやマグカップなどの家庭用品をクラシカルなデザインで展開、モダンヴィンテージなイメージが人気で、店舗数は世界16カ国で約200に上っていた「Cath Kidston」(キャス キッドソン)。同社は英国キャスキッドソン・リミテッド社の100%子会社で、日本国内で44店舗を展開していた。
4月22日に破産手続きの開始を申し立て、同日に破産開始決定を受けたのだが、東京商工リサーチによれば、負債総額は債権者数約400名に対し65億円にも上るという。破産申し立ての4営業日前には、日本向けの新作コレクションの発表を行い、公式オンラインショップと営業を継続している直営店での販売開始をメディア向けに告知していたという。
日本上陸は、今から18年前の2002年。ユナイテッドアローズが販売権を取得し、2006年には代官山に初の単独ブランド店舗を出店。しかし、その後、権利はあちらこちらへと移ってゆく。日本法人の営業権は今後、日本法人の破産手続きの中で譲渡先を探すことになるが、再開は未だ見込めない。約300人の従業員たちも職を失ったままだ。
人気ブランドのあまりにも突然の破産。従業員はもちろん、ファンの深いため息が聞こえて来る。